うなじを滑るくちびるの感覚に、軽く声をもらして身をよじる。
「シャワー浴びながら、していいなら別」
それないから。
言おうとしても胸に触れる怜士の指の感触に支配されて、音にならなかった。
口からは違う音ばかり漏れる。
初めて体を走る、言い難い感覚に翻弄されっぱなしだった。
自分を失いそうな恐怖に、もう止めたいと思った。
口を開きかけて、ビリッと電気が走るような痛みに体が硬直した。
「指、一本なんだけど、痛い?」
耳元でささやかれ、息がくすぐったのに、思わず腰が動いた。
「積極的」
笑われたが、痛みで否定する余裕が無い。
薄く目を開けて、睨むのが精一杯だ。

