奪われて、代わりにくちびるが合う。
この間のように重なっているだけではなかった。
舌が入ってきて、麗華の舌をなぜ、絡めてくる。
されるがままで、どう答えていいのかわからない。
不意にくちびるが離れたと思ったら、腰を掬い上げられて、ソファーから立ち上がらされる。
そのまま流すように、ベッドにほおり出された。
片方のヒールはすっぽ抜けたが、もう片方はひっかかっている。
怜士は麗華の足元に膝を付くと、その片方に手をかけ、床に転がした。
そして滑りあがるように足元から体を重ねてくる。
濡れた前髪越しに、艶やかに光る瞳に捉えられた。
「あの。
シャワー?」
「いらない」
そうして、またくちびるが合う。
いらないって言うのは違う。
自分が浴びたいのであって。
厚地のカーテンも閉めて欲しい。
まだ日が高く、部屋の中は白い光であふれていた。

