見られたか。
怜士は忌々しく、思わず舌打ちした。
「今、ホテルに戻るとこ」
そっけなく言って立ち上がる。
「私はこれ、食べてから行く。
先に行ってて」
怜士が麗華が立ち上がるのを待っていると、麗華は海を見たまま顔も上げずに言った。
こんな暗い所に一人で残してなんていけない。
怜士が無言なままなのに、ちらりと視線を投げられる。
「誰かに見られたら、どんな噂をされるかわんないし」
もっともだ。
それを何しろ避けていることだ。
怜士は歩き出した。
アイーシャが腕を絡めてくる。
冷たい一瞥でなぶったが、動じる様子は無かった。

