「ちょっと見てみたいかも。
SFの世界ね」
麗華はアイスをくわえ、ジュースのキャップを外すと、左手にアイスを移してジュースを飲む。
器用なことをするな、と眺めて、麗華の両手がふさがっていると言う状況に、改めて気が付いた。
そうか。
アイスを買ったのは、餌付けではなくて、意識しないで仕組んでいたか。
水井への巻き返しを狙って。
怜士は指を伸ばした。
性急な動きではないのだから、逃れようと思うなら逃れられるはず。
彼女なら何が起きるのかわかるだろうから。
怜士の両手は麗華の頬を包む。
そして、くちびるを合わせた。

