「現代版おとぎの国じゃないか?」
四国の先の大陸。
同じ顔の男を13人製造し、一人は後継者、残りはスペア。
その金と権力で、裏から大国を操っている。
大国を使い、他の国も。
経済状況を都合のいいように作り、格差を作り、底辺の人間をただの駒として働かせる。
駒でもなかった。
働きアリか。
それに群がってくる男と女たち。
恩恵にあずかれるよう、媚をうり、嘘をつき、騙し、そして裏切る。
シュールな世界だ。
麗華が不思議そうな顔を向けた。
「現代版?
サイボーグとか?」
「サイボーグ。
なるほど、そうだな」
あの男には感情が無いに違いない。

