「というか、そういう男の方が少数。
それで一括りに見てしまったら、損だし」
「ああ、彼氏いるんだ」
「は?」
「だって、男に対して認識が曲がらないのって、よっぽど信頼できる男がいるってことだろう」
「いないけど」
「ふうん」
なんだか、さっきからどうでもいいような、信用されていないような、相槌を打たれている気がする。
「ああ、婚約者だっけ」
麗華は微妙に眉を潜ませた。
麗華には婚約者が既にいると噂を聞いた。
家的に珍しくもない話だろう。
「美和のこと?」
クラスは違うが、同学年の水井美和(みずい よしかず)だ。

