「それをしたら、広がるぞ。 貸してみ」 怜士は麗華の指からペーパーを取り上げると、ブラウスをつまむようにして、染みをとろうとする。 「今泉って、年齢の割に、女慣れしているよね」 染みから視線を上げると、黒目がちの大きな目がまっすぐ見ていた。 「ああ、悪い」 怜士は手を離した。 「姉がいるからね」 麗華は、そうかな?と首をひねった。 「そういう宮内も、こういうことを男にされて動じてない。 しょっちゅう襲われている割に、よく男嫌いにならないな」 「そういう男ばっかじゃないし」 「ふうん」