「だから言ったじゃない?
 クラス違うから、全く会わないし。
 金髪の美少女とずっと一緒だし。
 きっぱり振られといた方がいいってわかってるけどさ」


一枝は無言だ。

食べもしないで、胡桃の殻をひたすら割っては、机の端から一列に並べている。

時々、大きさ順に入れ替えながら。


「おまえの方だけ考えたら?」


沈黙後、突然、口を開く。


「言っておいたほうが、その後に進みやすいのなら言う。
 言わないほうが過去として忘れやすいのなら、言わない」

「・・・うん」

「ゆっくり考えたらいい」


一枝は優しく言うと、麗華の頭をくしゃりとなぜた。