「ふうん」


家に帰る気分になれず、叔母の一枝の所に転がり込んでいた。

麗華の話を聞いて、一枝は気のない返事をした。

人形にクルミをくわえさせては殻を割っては、中身を食べている。


「おまえも食べる?」

「ありがとう」


手のひらに載せてもらい頬張った。


「くるみは脳にいい」

「頭良くなるかな」

「どうだろうね」

「じゃあなんで勧めるの」

「気休め」


思わずジト目で一枝をみつめるが、気づかないようだ。

なにやら考え込んでいる。