「宮内?」

「そっか。
 今泉、頭いいもんね。
 それにマイペースで、他人の言いなりになるの嫌いだし、日本社会に向かないかも」

「ひどい言われようだな」


思わず苦笑する。


「褒めてるけど」

「どこがだ」


いつもと反対のパターン。

麗華はくすりと口元で笑った。


「今まで、ありがとうございました」


茶道を嗜んでいる者の綺麗な一礼に、怜士は思わず詰まった。

一線を引こうとしていたのに、引かれた気分。