* あの男がすんなりと、こちらの主張を飲んだ理由がわかった。 怜士は苦い思いで、担任に紹介されている壇上の交換留学生を見た。 少し重めの色の金髪。 明るい灰色の瞳。 光の加減で金髪はきらめき、薄い青い瞳になる。 にこやかに彼女は、少したどたどしい日本語で挨拶をした。 監視を送ってきたか。 ならばよかった。 教室に麗華の姿は無い。 2年生に上がり、クラス替えで離れた。 麗華の存在はそう重要視されないだろう。 カテキョを早急に辞めなくては。 苦い思いが更に広がる。