Amarosso~深い愛~の作り方♪


これはデスゲームではないのだ。

同じ顔をした男たち。

それは怜士に何かあった時のスペアだ。

殺し合いが収まったのは、この男が手を打っただけ。

いや、殺し合いでさえなかったのかもしれない。

不具合、と判断し、整理したのか。


「嫌だと言ったら?」


男は低い笑い声をたてた。

背筋が冷たくなるような。


「面白いな」

「僕は。
 断わる」


目が細まる。

楽しいらしかった。


「他人の女の趣味に、口を出すほど無粋ではないのだが、息子ならば許されるだろう」


男は怜士の背後の窓に一瞬視線を投げた。