「君塚鞠絵は。
どうしているんですか」
男は冷ややかに瞬きを一つした。
何か嫌な思い出にひっかかったのだろうか。
「土の中にいる」
そっけなく答えた。
やはり。
怜士は軽く目を閉じた。
「それで。
何の用ですか?」
男は呆れたように息を吐いた。
聞かれたことに落胆しているようだ。
「遊びの時間は終わりだ」
「つまり?」
今度は本当に呆れたようだった。
少し眉を上げて、怜士を見つめる。
「おまえは気付いていないのか?
調べ上げられなかったのか?
理解していないのか?」
それでやっと怜士は確証が得られた。

