「中身はともかくって、どういう意味よ」


怜士に改めて全身を見られたのに、なんだか恥ずかしくなって、照れ隠しに食ってかかる。


「その外見だと小さい時から苦労してそうだな」

「うん」


思わぬ理解にとまどって、素直に返事をして気が付いた。


「ああ、今泉も、そうっぽいね」

「男だから、まだマシだろ」

「そうなんだ。
 でもいきなりキスぐらいは無くない?」


うらやまらしがられるばかりで、なかなか苦労を分かち合えなかっただけに、なんだか嬉しくなり、饒舌になる。


「まあ、この年になってくると、そんなにないな。
 腕力がついてくるので、かわせる」

「そっかー。
 なんか私は年をとってくるごとにヒドイよ。
 舌入ってくるし、胸つかまれるし、今回も押し倒されたし」

「おいおい」

「でしょー?
 投げ飛ばしたけど」


容易に想像がついて、思わず笑う。