そういえば、麗華と特別、仲がいい友達というのがいない。
誰に対しても適度に等距離だ。
家と容姿から、無用にやっかまれないために。
それは自分と同じ。
こちらは生きている理由からだが。
似ているから惹かれたのだろうか。
家族がいて、あの厄介そうな叔母がいるが、麗華も孤独だ。
「そうだ。
写真、サンキュ。
やっぱり、いなかった」
停学の際のカテキョの時、身内に聞いてみると、君塚鞠絵の写真を借りた。
身内に聞くのではなく、調べるつもりで。
君塚家。
宮内家と同じ、旧華族。
宮内家は元武家だが、君塚家は元公家だ。
戦後は宝石商として財をなした。

