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相変わらずの放課後。
「白木、大人しくなったみたいだな」
「どうかね」
「あなた、あんなことまでしたけど、原因の解決をしなくちゃ、無駄じゃない?」
「なんで私がそこまでするの?
問題があるのを気付かせたんだから、後は家庭内でやってよ」
麗華はうんざりとも冷たいとも言える口調だ。
「意外と」
「なに?」
言いかけて止めた怜士を睨む。
ろくなことを言われないと察したのだろう。
「いいや」
なんでもかんでも、関与したことにはとことん親身に、どちらかといえばお節介に近く、面倒を見るタイプかと
思っていたが、意外とドライらしい。
なるほど。
たぶん、自分の務めとして、見逃せないことに対して、最低限関与するということなのだろう。

