全て解決できるのか?

どくりと心臓が打つ。

金と権力。

大抵のことは解決できる。

でも、失うものも多いのだ。

そしてそんな窮屈な世界は嫌だと拒否されたら。


「今泉?
 どうしたの?
 疲れた?」


怜士はゆっくりと麗華と視線を合わせた。

奔放な性格。

押し込めたら窒息してしまうだろう。

でも今の生活に慣れているのなら。

その更なる窮屈な世界でも。


「ちょっと大丈夫?」


眉をひそませて、腕に触り、身を乗り出してくる。


「大丈夫。
 ちょっと考え事」


麗華の指が触っている腕をさりげなく引いた。

そんなに簡単には決められない。

なぜなら。

全ての前提として、麗華の心がどこにあるのかわからないのだから。