麗華はパンの残りを口に押し込み、ジュースで流し込むと、立ち上がった。
ゴミを捨てに行く後姿を怜士は見ていた。
高等部はスカートの丈が短いのが有名だ。
そこから伸びる足は真っ直ぐで長い。
外見はバービー人形だが、中身はかなり豪快だ。
何があっても、どんな立場になっても、楽しんで生き抜いていきそうだ。
その生命力と意思の強さに惹かれる。
なぜか救われた気持ちになる。
関係ないのに、な。
怜士は苦笑いをジュースを飲むことで隠した。
再び見回りを始めて、ふと思い出した。
「そういえば明日、数学の小テストだけど、おまえ大丈夫なの?」
「は?」
くっきりとした二重の目をさらに大きくさせて、斜めに見上げてきた。

