「うかうかもしていられないだろう?
この間、ドイツで一人、死んだばかりだ」
「やっぱり。
あなたは信用できません。
宮内の叔母かもしれませんが、それだけだ。
あの男の差し金なのかもしれないし、他の奴の仲間かもしれない」
「後、おまえを入れて7人か
キリストの弟子と同じ数だな
あの男もやることが洒落ているな。
とすると、ユダは誰だろう」
怜士の言うことを全然聞いていないようだ。
しかも洒落ているとは露とも思っていない。
口調から読むと、反対にバカにしている。
「このデスゲーム。
一人残して全員死ぬのか?
自分の境遇に気付いていない奴は見逃しか?
いや、後々、争いの種になるような要因は残さないだろうな。
あの男が。
殺し合いをしないならば、自ら片付けるだろう」
一枝は顔を上げた。

