「おまえの父親に一度だけ会ったことがあるよ。 スペイン国王の園遊会で。 来賓で来ていた。 どうするの? あの地位を狙うの? それとも。 逃げ続けるの?」 怜士もやっとソーダ―割に口をつけた。 「よく調べましたね」 「ああ。 得意なんだ」 「でしょうね」 またしばらく沈黙になった。 「協力するけどね。 あの地位を奪うなら」 「なぜです?」 「かわいい姪なんで」 他に何があると言わんばかりだ。