Amarosso~深い愛~の作り方♪


「ええ、知っています」


それはそれで面白かったらしい。

愉快そうな顔になった。


「証拠を見せろとか言わないのか?」

「言いませんよ。
 あなたには言っても無駄でしょう。
 違っても、それなりの証拠を備えそうですし」


楽しくて仕方なさそうだ。

目がきらめいた。


「初対面なんだけどな」

「そうですね」

「相手が嘘を言っているか、言っていないか。
 言っていても、それで可か否か。
 見抜く力は父親譲りなんだろうな」


怜士の顔が強張った。

この人の言っている父親とは、戸籍上の父親の事ではない。

一枝はくすりと笑った。


「ちょっと話そうか」


柔らかく言うと歩き出した。