まるで初めての彼女だと言わんばかりだ。 “彼女”など、この先も持つ積りはないのに。 麗華の乗った車を見送り、歩き出した。 途中、スマホが鳴るのに取り出すと、佐和だった。 「今日は行かない」 簡潔に答えて、電話を切る。 ここで佐和の所に行けない自分は、まだ青いんだろうな。 夜になった街を歩きながら、日本にいられるのは、後どのくらいなのだろう、と思う。 ふっと、体の中を風が通り抜けた。 あと、どのくらい、彼女のそばにいられるのだろう。