狂愛ノ書~紅き鬼と巫女の姫~





放課後。




巫女の格好をして、神社を掃除するのが日課。




ボケーッとして石畳の上を竹箒ではく。




今日も特に何事もなく終わった。




だからお守りなんて、つける意味なかったのに。




お母さんは昔の話を信じ過ぎだよ。




白鵺っていう巫女がいたのはもう何千年も前の話だし。




その血が今さら受け継がれてるなんて、あり得ないでしょ。




もし、もし仮に受け継がれてるとしても、かなり血は薄いだろうから力なんてないよ。




はぁ、と深くため息をつく。




そして考えるのをやめて、空を見上げる。




空はまだ明るいのに、もう月が出ていた。




しかも今日は満月。




心成しか今日の満月は若干、紅く見える。




これもきっと考え過ぎだよね?