「…申し訳ありません。自己紹介もせずに軽々しくお話ししてしまって。
わたくしは巫女の深寿と申します。三篠とはそうですね…育ての親のような者でございましょうか。
鵺姫様、あなたのお話しは三篠から聞いておりました。お会いできて光栄です」
深寿さんは恭しく頭を下げた。
深寿さんをよく見ると確かに白い着物に紅い袴と、巫女の格好をしている。
本当に巫女さんなんだ。
三篠の育ての親みたいな人なんだよね。
ということは三篠より年上なんだよね…
全然そうには見えない。
それほどまでに深寿さんは綺麗な人だ。
そんなことを考えていると、遠くからドンドンと早足でこっちに向かってくる足音が聞こえた。
それを聞いた深寿さんはクスクスと笑っている。
「…どうやら主役が来たみたいですよ。
こんなに鵺姫様とお話ししていたら、嫉妬されちゃうかしら」
主役?
一体誰が来るんだろう?
足音は段々大きくなってきて、現れたのは私の好きな人。
「…小雛!目が覚めたか!?」