狂愛ノ書~紅き鬼と巫女の姫~





「…雛?」




体育の授業中、私が体育館の壁に寄りかかって座っていると、そこに璃々音がやってきた。




「…体育の授業でアンタが座ってるなんて珍しいね。
何か悩んでるの?授業中もボソボソ何か言ってたようだけど…」




え、見てたの?
璃々音は興味なさそうな顔して、何気に人のこと見てるんだよね。




私は何も言えずに苦笑いをした。




そんな私を見て璃々音はため息をついて、私の隣に座った。




「…ねぇ、璃々音。もしも璃々音が鵺姫で、結婚相手が妖怪の王になる妖怪だったらどうする?」




なんとなくだけど璃々音に聞いてみた。




もしも、なんて言ってるけど、鋭い璃々音のことだから、本当のことだと思ってるかもしれない。




璃々音はしばらく私を見てから、体育をしてる生徒達を見た。




「…それがアタシの運命なら、それに従うよ。まぁ、その妖怪にもよるけど。
その妖怪がアタシをちゃんと見てくれているなら、それでいい」




璃々音はそれだけ言って、授業に戻って行った。




自分をちゃんと見てくれる。




三篠は私のこと、ちゃんと見てくれてる。




そして妖怪の世界の未来のことも、しっかり考えてる。




私、三篠と一緒にいても嫌に感じない。




これでいいのかな?三篠を選ぶ理由。