「…それで妖王っていうのは妖怪の世界を治める王様のことで、妖怪の世界で一番偉いってこと?」




私が紅葉から教わったことを繰り返すと、紅葉はコクリと頷いた。




授業中、私は声を潜めながらも、紅葉に妖怪の世界のことを教わっていた。




「そうです。そしてその妖王は鵺姫の血を吸うことで妖王の力を覚醒させ、肉を喰らうことで真の妖王となるのです」




血とか肉とかなんだか残酷だな…




ってことは三篠は私の血が欲しいの?それとも肉?




「…三篠様はご自身の目的のために妖王を目指してらっしゃいます。
ただ小雛様の鵺姫の血肉が欲しいためではございませぬ」




私の考えてることが分かったのか、紅葉は少し笑って答えてくれた。




じゃあ、あの告白は本当ってことなんだね、三篠?




三篠はどうして妖王になりたいんだろう。




妖怪の世界があるってことは、今妖王はいるってことでしょ?




今の妖王を消してまで妖王になりたいの?