狂愛ノ書~紅き鬼と巫女の姫~





「…冷樹が言ってたんだ。
『氷雨が三篠の下にいることが分かった』って」




「「「「…っ!!」」」」




4人して琴葉さんの言葉に目を見開く。




氷雨さんの居場所が敵にバレたってことだよね?
となると………




「今ごろ黒兎は純妖達に命令して、三篠達のところに向かわせるはずだよ。
目的は氷雨を始末すると同時に、三篠と混妖の国の全滅」




現妖王は、氷雨さんを倒すついでに三篠も倒そうって考えてるの?
どうしてそこまでして混妖を嫌うんだろう。




「…いや、本当の目的は俺を殺すことだろうな。氷雨の始末こそが二の次だ。
あいつが部下1人殺すくらいで自ら動くなんてしないからな」




三篠の言葉は、なんだか妖王のことを分かっているような言い方をしている。




三篠は妖王と会ったことがあるの?




ううん。会ったってだけじゃ、妖王が何考えてるなんか分からない。




もっと違う、深い関係だったんじゃ……




チラッと三篠を見るけど、三篠は何か考え事をしていて下を向いたままだった。




黙っている三篠を琴葉さんはどこか悲しそうにジッと見つめていた。




この沈黙を破ったのは、桔梗さんだった。




「…どっちが本当の目的だとしても、国も三篠様も氷雨も守らなければならないのに変わりはありません」


「……そうだね。
混妖の国や三篠様がいなくなっちまったら、アタシらがやってきたことが無駄になっちまうからね」




桔梗さんに続いて瑠璃葉もコクコク頷いて、桔梗さんの意見に賛成している。




三篠がここまで築き上げてきた国を、アッサリと滅ぼすわけにはいかないよね。
私も何か出来ることをしよう。




……そうだ。




「……私が…私の千里眼を使えば、敵がどのくらいどこから来るのか分かるはず」




私の言葉に三篠はやっと顔を上げて、こっちを向いた。