狂愛ノ書~紅き鬼と巫女の姫~





そんなことを思っていると、我に返る。
そういえば私、この人の名前も知らないんだった。




「…えっと……あなたは」




控えめに聞くと、男性は「名乗らずに申し訳ありません」と軽く頭を下げた。




「初めまして、姫様。
瑠璃葉の夫の海似(カイジ)と申します」




紳士な海似さんは微笑んで、深々と頭を下げた。




瑠璃葉の旦那さんなんだ。
二人とも美男美女でお似合いだな〜。




………ん?なんて言った?
…夫?瑠璃葉の?




「えぇ!?瑠璃葉の夫!?」


「はい、そうですよ」




私が大声を出して驚いても、海似さんはニコッと笑って肯定した。




瑠璃葉の旦那さんだったんだ。
というか瑠璃葉が結婚していたことに驚いた。




軽く流しそうになったけど、さすがにこれは驚いた。
もしかして他の六臣のみんなも結婚してる人とかいるのかも。




そうだよね、結婚しててもおかしくないよね。
妖怪だって愛し合って、子を成すのは人間と変わらないのだから。




「お疲れのところ申し訳ないのですが、少しお話ししてもよろしいですか?」


「あ、はい!もちろんです!」




礼儀正しい海似さんについピシッと背筋を伸ばす。
海似さんは優しく微笑んで、私の隣に腰を下ろした。




何を話そうか。
とりあえず海似さんは何と何の混妖なのか聞こうかな。




口を開こうとすると、海似さんが話しかけてきた。