狂愛ノ書~紅き鬼と巫女の姫~





とにかく分かったことは、歴代鵺姫の中でひいお婆ちゃんが一番謎だということ。




実の息子のおじいちゃんなら何か知ってそうな気がするけど、さっきの話以外は知らなさそうな雰囲気だったな。




ひいお婆ちゃんのことを除いては、ほとんどの歴代鵺姫のことが分かった。




……でも……




「…なんだか……複雑だな…」




口までお湯に浸かり、ブクブクと口から泡を出す。
すると浴槽側にある窓から声が聞こえた。




「小雛のひい婆の時の妖王は鵺姫がいなくとも妖王をしていた。
鵺姫の力を借りずとも妖王として、恐ろしいほどに強かったと聞いた」


「…そうだったん……だ!?」




頭上から聞こえてきた声に納得しかけた。
見上げるとそこには三篠が頬杖をついて、私と紅葉を見下ろしていた。




三篠の気配に気付かなかった紅葉は、驚いて小さい狐に化けて体を丸くした。




「み、三篠!?い、いつからそこに……!?」


「紅葉が、『人間として生きることを選んだ鵺姫は…』と言ったあたりからいたな」


「結構いたな!!!」




冷静すぎる三篠についツッこんでしまう。




私は腕と脚を使って、三篠に見られたくない胸などを隠した。
三篠は必死に体を隠す私を見て、ニヤリと笑った。




「今さら隠しても遅いぞ。
話してる間ずっと見ていたからな、前よりも成長して…これは食べ頃か?」


「…〜〜〜っ…変態、三篠!!」




恥ずかし過ぎて、気付けば私は桶を三篠の顔面目がけて投げていた。