「…聞きたいのは私のひいお婆ちゃん…おじいちゃんのお母さんのこと」
「…………」
ひいお婆ちゃんのことを言うと、おじいちゃんの眉が一瞬ピクッと動いた。
ひいお婆ちゃんは、おじいちゃんのお母さん。
息子であるおじいちゃんならひいお婆ちゃんのことを知ってると思ったから、おじいちゃんに聞いた。
「…ひいお婆ちゃんは鵺姫だった。でもひいお婆ちゃんは妖王と結ばれることを選ばずに、人間として生きる道を選んだ。…そうなんだよね?」
「…チッ。百合妃め、勝手にベラベラと……」
おじいちゃんは舌打ちをして、目つきを鋭くした。
もしかして、聞かれたくないことだったかな……?
おじいちゃんの表情を窺っていると、おじいちゃんは深くため息をついて話し始めた。
「…お袋は普通の者には聞けない、動物や植物、風の声を聞くことができる能力を白鵺から受け継いでおった。
その能力を使って、お袋はよく動物と話をしておったな」
昔のことを懐かしむように、おじいちゃんはふっと笑っていた。
「…お袋は鵺姫じゃったから、妖怪に狙われるのは必然。
妖怪に身を狙われ困っていた時に妖王に出会い、命を救ってもらった。
その時の妖王は…なんじゃったかの~……忘れたわい」
思わず体がカクッと前のめりになった。
思い出そうとしてたのに、思い出せないと分かると諦める。
なんというか……おじいちゃんらしい。
「当時の妖王はお袋のことを慕っておったらしい。要は一目惚れじゃ。
お袋も鵺姫は妖王と結ばれる運命にあることを聞かされておったから、妖王を好きになろうとしたのじゃ。
そしてお袋はその運命をなぞるようにして、妖王を好きになった」
ひいお婆ちゃんは自分の運命を受け入れて、妖王に恋をしたんだ。
でも次にはおじいちゃんの表情は鋭くなった。



