その人はなぜ押し返されたのか分からないらしく、首を傾げた。
「…あ、あなたは誰ですか!?
どうして鏡から……それにどうして私の名前を知ってるんですか!?」
分からないことだらけで、たくさん質問してしまった。
とにかく腰に回ってる手は離してくれないらしい。
「…小雛の質問に一つずつ答えよう。
俺は三篠(みさき)。鬼と人間の半妖だ」
……え、この人今、なんて言った?
鬼と人間の半妖………?
人間じゃないの!?
どうりでこんなに綺麗なわけだ。
でもどうして半妖が私の名前を知っているの……?
「…この鏡は妖怪の世界と人間界を繋ぐものだ。
鵺姫であるお前が触れたことによって道が開かれ、俺はここに来れた」
ってことは好奇心で触れたことがこんな大事を招いたの?
お母さんの言いつけを守っておけばよかったかな。
「…そして最後の質問だ」
三篠の声は急に優しくなった。
驚いて三篠を見ると、ふっと笑って私の頬に手を添えた。