狂愛ノ書~紅き鬼と巫女の姫~





部屋の真ん中にある机に置かれていたのは、一冊の分厚い本。
部屋の周りの本もかなり古いけど、この本は一際目立って古い。




お母さんは本を手に取り、私の方を向いた。
そして本を私に差し出しながら説明してくれた。




「…これは《狂愛ノ書》というものよ。
歴代の鵺姫達が経験したことが書かれているの」


「……狂愛…ノ書……」




私はお母さんに差し出された本を手に取る。
狂愛ノ書というこの本は埃を被っていてそれを手で優しく払うと、墨の字で《狂愛ノ書》と書かれているのが見えた。




狂愛ノ書を見つめる私に、お母さんは説明を続けた。




「…歴代の鵺姫が経験したことというのは…分かるわよね?
小雛、あなたにも降りかかるということよ。
ここには鵺姫の最期も書かれているわ。
それを読んで、あなたの今後の道を決めなさい」




鵺姫の最期……
それって未来の私の姿ってことだよね。




ここに書かれたことは必然的に、私の身に降りかかるということ。
だから私はここに書かれたことを受け止めなくてはいけない。




三篠とずっと共にいたいと願うのなら。




私は震える手で狂愛ノ書を開いた。
分厚いわりにはページは白紙の方が多くて、字が書かれているのはほんの数ページだけだった。




本の真ん中には箇条書きでカタカナと漢字が混ざって書かれていた。
番号で振り分けされていて、番号は全部で12まである。