狂愛ノ書~紅き鬼と巫女の姫~





お母さんの後をついて本殿の裏にある縁側を歩く。
ここはお母さんに入るなと言われていて、来たことがなかった。




昼間だけど、本殿の裏は薄暗くて纏う空気が重たい気がする。




かなり不気味な雰囲気だけど、お母さんは気にしてないのかスタスタと先を歩く。




長い縁側を歩くと、そこには鉄の重たい扉があった。
周りが障子張りになっているせいか、その扉だけかなり目立つ。




扉にはどんな力でも開かなさそうな大きな南京錠がついていた。




お母さんは親指の腹を噛んだ。
そこからは少しだけ血が出て、お母さんはその親指を南京錠に直線を描いた。




「………"解"………」




すると血はスッと南京錠に溶けるようにして消えた。
そして次にはガチッと音をたてて、南京錠は開いた。




お母さんはゆっくりと扉を引く。
扉はギギギと古そうな音をたて、開いていく。




部屋の中は書庫のようになってて、たくさんの本が並んでいる。




お母さんは先に入ったけど、部屋の中の雰囲気が不気味で入るのをためらう。
隣にいた三篠が優しく微笑み肩を抱いてくれたから、それも少し和らいだ。




その膨大な本を見渡しながら中に入る。




お母さんは部屋の真ん中に立っている。
私はお母さんの隣に立ち、お母さんが見つめるものを見た。