狂愛ノ書~紅き鬼と巫女の姫~





「…失礼しまーす………」




本殿の中は相変わらず薄暗くて気味が悪い。




早く帰りたくてササッと箒で床をはいて、壁を拭く。




掃除してる時にふと目に止まったのは、大きな丸い鏡だった。




私の頭から太ももまで映るくらいに大きい。




そういえば小さい頃お母さんに、この鏡には触るなって言われてたんだ。




今まで何ともないんだし、触るくらい大丈夫だよね。




右手を鏡に近付ける。




一瞬やめた方がいいかと思ったけど、好奇心が勝って鏡に触れる。




するといきなり鏡が光り出した。




「…え!なに!?なに!?」




戸惑っていると鏡に触れてた右手に温もりを感じた。




触れてるところの鏡から手が出てきて、私の右手の指に指が絡まった。