狂愛ノ書~紅き鬼と巫女の姫~





「今宵の満月は紅いの〜」




「うわ!おじいちゃん!?」




いつの間にか隣にいたおじいちゃんがボソッと呟いた。




おじいちゃんの気配、全く感じなかった。




私の反応におじいちゃんは気に食わなかったらしく、睨まれた。




「…なんだ、そのお化けでも見たかのような反応は。
お前はいつからそんな酷い孫になったんだ」




「ご、ごめんって、おじいちゃん」




両手を合わせて謝ると、おじいちゃんはフンと鼻をならした。




おじいちゃんはこの織原神社の神主。




髪が薄くなったせいか、最近影も薄くなった。




いつの間にか隣にいて、ボソッと話しかけてくる。




絶対わざとそうやって話しかけてるよね?




……ん?というか