ジリリリリリ
「ん~」
いつものように目覚まし時計の音で目覚めた
のはこのお話の主人公吉野 香織

平成某年の初春であった
香織は眠たい目をこすっりながら眠気覚ましに頭を振った

そして昨日の事がふと脳裏をよぎる
森の精の男の子
けっして悪いとはいえないルックス

香織は彼の事が少なからず気になっていた
「一体何者なんだろなぁ」

そしてニヤッと口元をゆるませた
今日は学校の始業式

言い忘れたが吉野香織は中学生
今回二年目の春を迎える

いつもの平凡な日々がスタートする
でもどこか違う

いつも居たお母さんが居ないから
香織は母子家庭に生まれ、そればかりか血の繋がっている家族を
香織は生まれたときから知らない

そしてお母さんもなくなった今
香織は孤児だった
身寄りもない
誰も頼る人なんていなかった


香織はいつも1人ぼっちだった