ー城内。ピアノ部屋。ー

まだまだ緊張は続いていた。

ピアスの儀式をやろうってなったから。ピアノ部屋なのはわたしがそうしたいって言ったから。

一番ユウキとの記憶があるこの場所だから。

今いるのはお父さま、お母さま、お兄さま、ユウキ、わたしの5名。

「ユウキ。」とお父さま。ユウキは

「はい。」と答えると、

「ミリヤ。ピアス、貸して」って優しい声で言った。ユウキの近くに行き、ピアスを渡すと優しく抱き締めてくれて「大丈夫。」と言ってくれた。…あ、ユウキも緊張してるんだ…ドキドキしてるの伝わってくる。


緊張が和らぐのが分かった。

次の瞬間には耳元で音が鳴り、オデコに柔らかい感触が降って来ると

「ミリヤ、お疲れさま。終わったよ?」そうユウキが言うとお母さまが鏡を出してわたしに渡すと耳にはピアスが付いていた。