「待って!」

呼び止められて立ち止まり、ゆっくり振り返る。

彼の顔を見ると、ほんの少し赤く染まっている。

「ずっと見てました。あなたのこと。毎朝、見てました。」

思いもよらない言葉に驚く。

そして息をついてから私も告げる。

「私も。私も毎朝あなたのこと見てました。」


やっと通じ合ったこの想い。

ここから私の恋が始まる。


「じゃあ、また明日。いつもと同じ電車で。」



end