あたしだけの王子様。


「彪摩って呼んでな! お姉ちゃんの名前は?」



「あたしは…篠原莉子」



「ほな、莉子って呼ぶな!」



「う、うん…」



「年、いくつ?」


「15…だけど」



彪摩の勢いに気おされつつ答えると彼は嬉しそうに笑った。



「ほんま!? 俺16やねん! 昨日大阪からこっちに引っ越してきた高1やで!」



「大阪…」



「おう! よろしくな!」



彼は、人目も気にせずよく通る声で聞いてもない自己紹介をして、あたしに手を差し出してきた。


…握手しろと?



「…よろしくです」



遠慮がちに差し出したあたしの手を、彼はがっちりとつかんでぶんぶんと振った。