しばらくあたしは呆けたように過ごした。


どうして...

どうして...

という考えばかりめぐっていた。

そんなある日、槙ちゃんが



「愛、結婚して籍をいれないか」


と言ってきた。


嬉しかったはずななのに

望んでいたはずなのに

出てきた言葉は


「それはできないよ。

あたしは。もうここにもいられない」


「ここにいられない...?」


「あたし、ここを出て行くよ...」