あぁ~~…
――…何?この展開…


光の季節の始まり。

孤児院の食堂では、
『お母さん、聞いて聞いて。今日、学校でね~?』
と子供たちがビビに詰め寄っていた。

俺は1人遅い晩御飯を取りながら、行儀悪く頬杖を付いてその様子を眺めていた。

無邪気って、良いなぁ…


明るいままの夜が更け、
子供たちを自室に追いやると、俺の愚痴の時間が始まる。


「……お母さ~ん、聞いて聞いて。今日、協会でね~?」

子供たちを真似て甘えた…、しかし覇気の無い声を俺が出すと、ビビは瞳をぱちくりさせて驚いていた。


「あはは、はいはい。何ですか?大きな子供のリュウちゃん?」

ビビは俺に食後の飲み物を用意すると、それをテーブルに置きながら、自分も隣に腰掛けて俺の瞳を覗き込んだ。

俺の相手をするビビは、
いつも柔らかく優しく笑う。


「……今日さ、じじぃが1番地を堀りやがった…。で、地下の一部が崩れてさ…」

「――はぁ!?」

…だよな?
その反応は正しいよなぁ?


協会での仕事の内容は、本来は他言無用。
更には今回の様な重大な事実は、勿論漏らしてはならない。

しかし、
…知らねぇよ。

俺はいつもビビに話す。