あぁ…
昔から変わらない「宿題」。


「低学年の子は学校始まってから授業でやるみたいだけど…」

「高学年の私たちは宿題になってるんだよ~。ズルイよね?」

「「ね~!」」

そうワイワイと話しながら、彼女たちは筆を動かし続けた。


「絵を書いて~、その絵の中の光景を作文にもするんだよ?他の宿題を先にやっつけて…毎年これが最後になっちゃうんだよね~」

文句を言って口を尖らせながらも、その表情はどこか楽しそうで柔らかくも見える。


「わはは…。大変だよなぁ?俺の時もそうだったよ…」


また、
この季節…。

この光景を見掛けると、
昔を思い出して切なくなる。


幼い俺は…どれだけ長い時間を費やしても、
紙と睨めっこを繰り返しても。

いつまで経っても、

その宿題を、
…書けやしなかった。