運命を紡ぐ者――…。
俺は、
堪らなく…忙しい。
広い世界を飛び回り、
それこそ数え切れない程の様々な人々に関わり、運命を正しい道へ導く手伝いをする。
過去の協会幹部時代は、
カロリスの住民の為に…。
これは、
生まれ持った宿命なのか…。
今やその範囲が、
時間を越え、空間を越え…
莫大に増えた訳だ。
その「俺の姿」は様々で、
関わる人々の中で、俺はただの「脇役」に過ぎない。
いや、楽しいよ。
色んな世界を見れるし、
知り合いの、
「前世の姿」に会うのは。
でも、辛い事の方が多いかな。
その人の運命を…、
その先を知ってしまっているから余計ね。
そして、
俺は何処までいっても、
所詮は「脇役」だからな…。
皆の記憶には残らないし、
やはり俺が「主役」になれるのは、懐かしいあの水上の街だけなんだと思うよ。
世界は、
広くて計り知れない…。
皆が見ていた「闇の季節の夢」の内容は、世界のほんの断片で、
1人1人に壮大な物語がある。
それに俺が関われるんだから、
ちょっと…
いや、かなり…
責任重大なんだよ…。
誰に相談出来る訳でもねぇからな、こうして独り言も増えるわけだ。