欲しかった、蝶の羽根。

これを使ってさ、

見たかった広い世界を、
飛び回るんだ。


闇の季節に見れなかった「世界」をさ、これから人一倍見れると考えりゃ、こんなに楽しい事はねぇ…。


俺は、…大丈夫だよ。

いつか、帰るから。

俺を待っていてくれる人たちが、あの「水上の街」に居るんだ。


偏屈な頑固な…
協会のじじぃが治める、
カロリスの街でさ…、

俺にベッタリな、素直じゃない幼馴染みのウルサイ男とか…、

俺が心から安らげる、
懐の大きな、ちょっと気の強い女とか…が居てさ。

そいつらが暮らす孤児院の院長が、俺たちの親代わりで…本当に感謝してて…、
でも挨拶して来なかったから早く帰んなきゃ大目玉食らうだろうし…、

これから生まれるはずの、
俺の血を受け継ぐ子供もいる…


だから、
いつか…帰んなきゃ。


でも、あれだ。

長々仕事はするだろうけどさ、
俺は「時空をも越える存在」。


帰る時は、
時空を渡って…

あの日のちょっとだけ後に帰る事も出来るかもしんねぇし。


この先の俺の運命は、

俺自身で何とか幸せに導くさ。