『…だから何?リュウちゃんは、リュウちゃんだろ!?』

今も昔も変わらない。
カイトもビビも、孤児院の院長も…そう言ってくれるだろう。


「協会の教え通り、この星の皆は本当に『幾つもの旅を繰り返し』今やっと『光』に1番近い場所に来ているのかもしれない…。でも…」


俺は違った。
俺は、皆の『逆』だった。

世界の流れに、
逆らっている存在――…


「……俺は、あの星から…星を渡って来た人間…。この星の住民じゃない。」

そう静かに瞳を伏せた。
それは、確かだった。


「人柱の役目は、俺なんだよ…。俺がここに存在する意味だったんだよ…」


だから…、思う。

『大切なもの』が出来て、
『守りたいもの』が出来て、

心から良かったと…。

これで、
誇らしい気持ちで、
自分から進んでその道を選べるじゃないか…。



「…――嘘だろ?…嘘だ嘘だ…。この星の住民じゃないだって…?俺たちは昔から家族だ…。リュウちゃんは今までも、これから先も、ずっと一緒なんだ…。何言ってんだ?笑っちゃうよ…」


「…ごめんな?カイト…」

俺を思い、困惑と苦悩を抱えて瞳を赤くするカイトに、俺は静かにそう言った。