「……行ってくるよ…」


帰ってくる。
帰って来たい、君たちの元に。


俺は、
そんな願いを込めて。

ビビの腹に手を当て、
彼女の口元に唇を重ねた。


静かな…
静かな小さな「願い」。



「……リュウ…」

彼女は何か、
気付いたのだろうか。

俺の手を、そっと握った。


「…ううん、何でもない。いってらっしゃい…」

「…あぁ」


そして、

俺から、
その手を離した――…