「…そりゃ気になって、仕事なんて出来ないさ…。子供たちに加えて、リュウも体調不良って事にしてるから、看病の手伝い兼、孤児院の監視員代理。あながち嘘ばかりでもない。」

「…はは、助かったよ。ジークならここにも結構来てるし、子供たちも安心だろ…」

それは、
『今後』も同様だ。

今後を考えると、
俺の表情が曇っていく。


「…で、どうだった?何か収穫あったのか?」

「…あぁ。後で…話す。ちょっと部屋を一回りさせてくれ…」

ジークにそう言い残すと、
俺は廊下の端から子供たちの部屋を覗いて回った。

1つ1つ部屋を訪れ、
眠っている子供たちの額に触れ、起きていた子供には安心させる様な言葉を掛けて回った。


「…お父さん!…帰ったの?」

「…ただいま、レン…」

口元に指をあて『静かにな?』と合図をしながら、身を起こしたレンの傍らに腰を下ろした。

レンは眠っている周りの子供たちに目配せし終えると、小さな声で話し出した。


「…お父さん、お仕事で昨日から遠くに行ってるって…お母さんもジークも言ってた…」

「…あぁ、皆が心配で凄いスピードで泳いで帰って来たよ。ほら、まだ濡れてるだろ?」