このカロリスが干上がる。

それも運命だと、
あの星の神は言うのか…。


「…ユピテルは言っていた。『あの星に神は住んでいない』と…。でも、ユピテルはあの星から来たんだろ…」

「あぁ、『人』は住んでいるという事じゃなぁ?協会はそれを認めようとはしなかったんじゃ。その辺りの伝承は後世には残されなかった…」


「…人が住んでいる…か。」

「分からんよ?誰も確かめる術を持ってはいないからのぅ…。」

ユピテルは言っていた。

白い星から逃げて来たのだと、
七色に光る街に行き、
星を渡る途中なのだと…


「…星を、渡る…」

独り言の様に、
俺はその言葉を繰り返した。


「…じいさん、崖の上に行く道は今も繋がっているのか?七色に光る街なんて、本当に存在するのか…?」

ユピテルの後を、
追えるのなら追いたい。

本当に星を渡れるのであれば、
その地に俺は行くべきだ。


「…上に行く道は在る。しかし七色に光る街は、幾ら探そうと無かったよ…」

お祖父さんは薄暗い部屋の中で、崖の上に繋がる道の方向を指し示した。


「…お前さんが本当に『光の御子』ならば、運が良ければ…星の声を聞けるかもしれん…」