「…と言うと。やはり初めの異端者が初代法皇で、街の協会本部には無い情報がここにはある、という事ですか…」
彼の言い回しから、答えは聞かなくても分かっていた。
眠る様に深く頷いた彼に、俺は身を乗り出したい気持ちを抑えて聞いた。
「…意図的に、消された?」
「――…いかにも。遥か大昔の事じゃがなぁ…。」
「……やっぱりか…」
「おや、驚かないのか…?」
俺は静かに頷く。
おかしいとは思っていた。
あの薄っぺらい内容。
やはり協会に都合が悪い事は、後世に伝わらない様に操作されていたのだ。
「…それを、貴方は知っているという事ですよね…?」
「あぁ、わしの先祖が初代法皇らしいからのぅ…。わしは、彼の末裔…。内容は代々受け継いでいるよ…」
「――全部、教えて頂きたい!」
「…ほぉっほぉ!全部と言っても長い内容じゃ…。何から話そうかのぉ…」
お祖父さんは、
愉快そうに声を出して笑った。
――話が早い。
アキラと知り合っていたカイトに、感謝しなくてはならない。
俺は焦る気持ちを抑えながら、なるべく順序立てて話そうと試みた。