俺は仕事を済ませ、協会本部に寄ると、法皇にこの現状を話した。

法皇は手を上げて喜んだ。


「…そうか!やはり真だったか!神が我々に近付いているんだよ、リュウ!」

「……と、申しますと?」

このクソ暑いのに、水場が干上がるかもしれないってのに、何をそんなに喜んでいるんだ…

俺はそう呆れ顔で聞いた。


「…長年、神々の星を観測している学者がな、報告に来たんだよ。あの星がこの地に降りて来ていると!」

「…降りて?あの星が動いているんですか?」

「あぁ!信仰深い我々を、神が迎えに来ているんだよ!何と喜ばしい!」

「……そう…ですね…」

何を話しても無駄だと悟った。

あの星を神だと信じる協会。
この地で暮らす皆が信仰し、
手を伸ばし求める、白い『神の住む星』。


あの星が近付いている?
神が、近付いてくる?

どこまで近付いて来る?

この地を、
カロリスを干上がらせて?
人々は生きていけるのか?

本当に、神か?
それは悪魔の仕業じゃないか?


じじぃ供は喜んでいるが、
これは絶対にヤバイ。

俺は喜ぶどころか、この地の存続すら不安に思い眉間にしわを寄せた。